【大野基晴先生監修】ドクターに聞いた妊活の始め方＆進め方

A： 基礎体温をつけると、月経周期がわかるようになり、「この辺りが排卵かな？」と予測するのに役立ちます。 多くのカップルが、妊活の一環として基礎体温を測っていると思います。

ただ、本来基礎体温表でわかるのは、1周期終わった後に「先月はこの辺りで排卵したかも」ということです。そのため、今の周期で正確に排卵日を知りたいと思う場合、過去の基礎体温表を見て、自分のパターンやクセを把握することが大切です。

「今日は排卵日！」と思っていたら、実は数日後にもう少し体温が下がった…なんて経験はありませんか？ その日も「もう一回、仲良ししてみようかな？」と悩むこともあるかもしれませんね。

実際に、基礎体温で排卵日がピタリとわかるかというと、そうではありません。 低温期から高温期に移行することで「排卵したんだな」と確認できる程度です。それでも、妊活の一つの安心材料として役立つでしょう。

もしパターンやクセがつかめない場合でも、排卵期を予測しながら、性生活を充実させてください。基本的には低温期と高温期があり、基礎体温が二相性になっていれば排卵は起こっているはずです。

ただし、二相性が見られないのに月経がくる場合や、高温期が10日未満で短い場合は、 多嚢胞性卵巣症候群 などの病気が考えられるかもしれません。そのようなサインがあれば、早めに不妊治療専門施設を受診しましょう。

基礎体温は、低温期や高温期でもガタガタしていて、急に体温が下がったり、上がったりする日もあるでしょう。 人の体は機械ではないので、夜トイレに起きたり、風邪気味だったり、寝不足だったりという変化に影響を受けます。

朝は誰もが忙しい時間帯です。仕事の準備をしたり、朝食と一緒にお弁当を作ったり、特に女性はお化粧など身だしなみにも時間が必要です。そんな貴重な朝に「何もしないで、まず体温計をくわえましょう」といわれると、それがストレスになることもあるでしょう。

基礎体温を測るたびに、基礎体温表を見るたびに、ストレスが溜まっていくこともあるでしょう。 中には「基礎体温に脅迫されているような気がする」と話す人もいます。

もしそんなに負担に感じているなら、いっそ基礎体温を手放してしまいましょう。 そして、 病院で医療サポートを受けることを考えてみてください。排卵日は、基礎体温ではなく、血液検査やエコー検査で確認してもらうのも妊活の一つの方法だと思います。

A： SEX後に精液が漏れ出てくるのは、よくある自然な現象で「フローバック」とも呼ばれます。 精子は射精直後に子宮頸部へ泳ぎ、そこから子宮を通って卵管へ向かいます。漏れ出てくる液体は、腟からの分泌液や子宮頸管粘液などが混ざっているため、すべてが精液というわけではありません。

また腰を高くしても精液が漏れ出ることはありますが、お腹に力を入れたりすることでも漏れる場合があります。 精子が卵子へ泳いでいくのを助けるために腰を高くすることや、漏れを防ぐことについて、そこまで気にする必要はないでしょう。

速い精子は射精から約20分で卵管に到達するといわれています。 ですから、精液の漏れに関係なく、特に問題がなければ精子はしっかり卵子に到達できるでしょう。そのため、過度に心配する必要はありませんし、妊娠に大きな影響を与えることもありません。

半年から1年ほど避妊をせずに性生活を続けても妊娠しない場合は、精液の漏れではなく、他に原因があるかもしれません。

妊娠するためには、性生活のタイミングや排卵の確認以外にも、 卵子がきちんと卵管に取り込まれているか、運動精子が十分にあるか、精子が卵管まで到達できているか、受精後の胚が順調に発育しているか、子宮内膜が着床に適した状態になっているか、胚が着床したかなど、いくつものステップがあります。 これらのどこかに問題があると、妊娠が難しくなることもあります。

多くのカップルは性生活で妊娠できますが、なかなか妊娠しない場合は、これらのどこかに問題がある可能性もあります。

妊娠についての不安がある場合は、不妊治療の専門施設で相談することをお勧めします。 精液が漏れ出ることに関しては、あまり心配しなくても大丈夫ですよ。