記事監修 妊活漢方サロンりんどう 代表 花森よし子先生
1975年、福岡市に生まれる。鍼灸師、柔道整復師、漢方薬アドバイザー。25年間で約3万人の女性の心と身体を見続けてきた治療家。2016年、福岡・大丸に「妊活漢方サロンりんどう」を開設。女性にしかできない女性のための骨盤調整法とオリジナル漢方薬を開発。独自のメソッドで「どこにいっても治らない、授からない」女性たちの悩みを根本から解決している。全国の自治体、不妊クリニックなどで講演多数。オンラインでのサポートも受付中。公式LINEアカウント「よし子先生*オンライン妊活」に友だち登録すると、無料セミナーや妊活会の開催日が検索可能。
40歳で結婚、さっそく不妊治療クリニックを受診されたというアユミンさん。
かつての仕事柄、不妊治療に関する知識はかなりあるほうだ、と自認してはいたものの、
自身は妊活ビギナー。
実際にはじめてみると、多くの疑問や戸惑いが生じてきたといいます。
そこで、「妊活漢方サロンりんどう」を開設以来、不妊で悩んでいた3,000人以上の女性たちを
妊娠に導いてきた花森よし子先生に、不妊治療についてのさまざまなモヤモヤを解消していただきました。
取材・文:山本美砂/撮影:押木良輔
妊活についての基礎知識を学びましょう
よし子先生の大ファンで、以前から先生のインスタグラムをフォローさせていただいています。
その中で、食べたほうがよいもの、食べないほうがよいものがあることを知ったので、
実践しはじめたんです。
でも、よかれと思って出したものを夫が食べてくれないんです。
不妊治療についても、「協力するよ」といってくれるんですが、いざ論理的な話になると
面倒がられてしまうんです。

「そうでしょう!? 私自身も、それを20数年前に経験しています。
妊活をはじめた途端に、夫との考え方の違いや距離感、温度差をいやでも
感じてしまいますよね」

ましてや好きな食べものがラーメンなんですよ~。

「うちの夫も同じです。添加物はおいしいんですよ。その味が脳にインプットされているから、また食べたくなる。
でも、毎日じゃなければいいと思いますよ。最も大切なことは、食べるものに関してだけでなく、妊活に関わるさまざまなことについて正しい知識を持つことです」

でも、ドクターによっておっしゃることが違う場合があるんです。

「そうですね。情報もあふれています。私も当時は、たいへんこじらせた不妊迷子でした。有名なクリニックをいくつも紹介してもらって通院したり、海外で行われている不妊治療も試しました。
まだ20 代だというのに、数百万円もの費用をかけて、本当にいろいろな治療を受けました。いわば執念でようやく二人の子どもを授かったんです。
そうした経験から得られたのが、『妊活漢方サロンりんどう』のメソッドです。
まずは妊活についての基礎知識をお話ししますね」
妊活の第一歩はなぜ妊娠できないかを知ること
「できない理由の1つめは、精子、卵子のどちらか、もしくは双方に„ 妊娠する力" がないということ。
原因は、その人の生まれもった体質、日々の食事内容や休息と睡眠量、運動量などの生活習慣、
ストレスが大きく影響しています。
2つめは、母体の状態。女性ホルモンのバランスが悪い、血液が足りない、血流が悪い、体温が低いなどが重なると、きちんと排卵しない、子宮内膜が厚くならない、受精卵がしっかりと着床しない、しっかり育たないため、妊娠しにくくなります。
3つめはエネルギー不足。新しい命を生み出すわけですから、両親双方にそれだけのエネルギーが
必要です」
不妊クリニックなどで検査を行う必要がありますか?
自分に„妊娠する力" があるかどうかを調べる方法はありますか?

妊娠するためには、体温、血流、ホルモンバランスが重要です。
自分の„妊娠力" は、①体温、②生理、③便の3つをみればわかります。
身体を整えて妊娠力をとり戻しましょう
„妊娠力"を上げることは可能ですか?

「はい、可能です。低体温や生理不順、便秘など、妊娠力が低下している場合は、食生活をはじめとする生活改善と良質な漢方薬によって、妊娠できる身体へと整えていきます。
食生活の上では、„まごわやさしい"を意識し、エネルギーのあるものをバランスよく摂るようにしてください。
さらに、食べるべきではないものを食べないことが大切です。白砂糖や小麦粉、牛乳などの精製された食品、ハムやソーセージ、コンビニのお弁当、冷凍食品、インスタント食品のような加工食品、保存剤などの添加物を使用した食品、ジャンクフードなどを避けて、野菜は旬のものを選ぶようにします。
卵や肉類は、どんな餌で飼育されているかが重要です。私は平飼いの卵を買うようにしています。値段が高いので買うときは手が震えますけど(笑)。
主食は白米やパンよりも5分づきの無農薬玄米が最適。そもそも、私たち日本人の身体には、小麦を主原料としたパンやパスタは合わないんです。
睡眠は、効率的に血液とエネルギー産生ができるよう空腹の状態で、できるだけまとまった時間眠るようにしてください。しっかり休息をとること。
そして、適度な運動。筋力がないと体温が上がりませんし、出産にもその後の子育てにも筋力が必要です。
最後にストレスケア。ストレスは妊娠力だけでなく、免疫力をも低下させ、自律神経やホルモンのバランスを乱し、血行も悪くなります」
なるほど……。毎日の生活習慣を整えることが、身体を整えることにつながるんですね?

「そのとおりです! ゴールは妊娠ではありませんよね? 妊娠の先には、出産、子育てが待っています。
身体を整えることをせずに妊娠することは、流産や産後の鬱にもつながりかねない。
それに、子育ては想像以上に過酷です。
健康じゃないと楽しく子育てすることはできません」
妊娠力を上げるためには、生活改善に加えて漢方薬の服用が有効なのですね?
漢方薬はどのような働きをするのですか?

「漢方薬は、人間が本来もつ力を取り戻すために使用します。その結果、AMH値や卵子のグレードを上げる、多嚢胞性卵巣症候群や子宮内膜症、無排卵を治す、精子の数や運動率を向上させるなどの効果が期待できます。
先ほど、エネルギーのある食品を摂るように、とお話ししましたが、残念なことに近年、
多くの食材の栄養分が減少していますし、エネルギー不足になっています。
漢方薬はそれを補う役割も果たしてくれます。
漢方薬を選薬してもらう際には、妊娠中、授乳中にも服用できるものを求めてください。りんどうでは、その方の体質、身体の状態に合った、オリジナルの漢方を選薬しています。良質かつ厚生労働省の定める厳しい基準をクリアした原料生薬を用いた独自の配合で、その効果と成分には自信をもっています。
体質改善には最低120日(4か月)かかるといわれています。
これは全身の血液が入れかわるのに要する日数です」
私が20代なら自然妊娠を望むと思いますが、30代後半になったら積極的な妊活をはじめたほうがいいですよね?先生がいま42歳だとしたら、どんな妊活をはじめますか?

「不妊治療が保険適用になりましたね。治療開始日の年齢が、39歳までは胚移植6回まで、40歳から42歳までの場合は胚移植3回までが保険適用で3割負担です。
そういうことも考慮に入れると、私が42歳だとしたら、すぐに不妊治療クリニックを受診して、検査と採卵をしてもらいます。
卵子の状態を知ることができますから。それと同時に、漢方薬の服用を開始します。
もちろん、生活習慣を整えることと、ストレスケアも併せてです。
妊娠には母体と卵子が何よりも重要だからですが、その底上げには時間がかかるためです。
採卵しても受精卵にならない場合は、精子検査に異常がなくても夫にも漢方薬を
飲んでもらいます。
WHOのレポートによると、不妊の原因の半分は男性の精子にあるからです。
妊娠力チェック
- 1.体温
- 2.生理
- 3.便
ストレスのない「ココロのあり方」を身につける
先生が、ストレスケアとして実行されているのはどんなことですか?

「ストレスは最大の敵です。イヤだ、腹が立つ、不安などのマイナスの感情が生じたときに、ストレスは発生します。でも、不安や恐怖、怒りの感情は生きていくために必要な仕組みですし、この感情は自分ではコントロールできません。
そこで、あるものの力を借りて、思考をコントロールするのです。
それは„言葉の力"です。肯定の言葉を口に出した瞬間、その言葉が新たな情報となって脳に届き、プラスの感情が芽生えることがわかっています。
その仕組みを利用するのです。イヤなことがあったとき、いったん頭のなかで
『そうなんだ』と受け止めます。
そして、思っていなくてもよいので、口に出して『ありがとう』といえたらもう無敵です。
口に出したプラスの言葉が、自分をストレスから解放してくれるんです。
パートナーに対しても同じことがいえます。
イラッとしたときも、ひと呼吸おいて相手の立場に立って考えてみる。
すると、『まあ、そういう見方もあるな』と思えるはずです。そのとき『あなたはそのままでいいよ』とか、温かい言葉をかけてみてください。
言葉にして、いつも相手に伝えることが大切。伝えたことしか、相手からは返ってこないものです」
不安や恐怖の感情は自分でコントロールできませんが言葉の力を借りることでプラスの感情が芽生えます
言葉の力って、とても大きいんですね!

「そうなんです。ぜひ実行してみてください!
世界中で愛読されている『思考は現実化する』という„成功哲学の始祖"といわれている書籍をご存知ですか?
その本には„人生は願い通りではなく、思った通りになる"と書いてあります。
私はこの考え方を知ったとき雷に打たれたような衝撃を受け、„魔法の杖"を手に入れたような気持ちになったことを今でも覚えています。
強い気持ちで『そうなる!』と思えばどんなことも実現するというのです。
私はそれを„脳が言葉に反応する"こととして活用し、実践しています。
『私は幸せ。ありがたい』『赤ちゃんはできる、できる』と毎日口に出してみてください。
„赤ちゃんは授かりもの"、„ご縁"です。
ご縁があれば、二人のもとに赤ちゃんが来ることは決まっています。ただ、まだその準備ができていないから赤ちゃんが来ていないだけなのです。
妊活にはつらいというイメージがありますが、パートナーが互いに向きあえる素晴らしいチャンスです。
共通の目的に向かってともに学び、互いのことを、二人の時間を見つめなおすためのとっても貴重な時間です。
両親が仲良く、いつも笑顔でいてくれたら、子どももプラスのエネルギーに包まれて幸せになります。妊活期間は、その日のための大切な準備期間なのです」
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